>>機材屋.jpへ
編集

【忖度なしのレビュー】突如発表された「DJI Mic Mini」。実際どうなの?少し調べてみました。

2024/12/12


いつもありがとうございます。株式会社 機材屋です。
先日発表、発売に至ったDJI Mic Mini。
あまりにも小さく軽く、そしてお安いこのモデルの実力を探ってみましょう。

まずは基本情報を。

・わずか10gで、Osmo Pocket 3/Osmo Action 5 Pro/Osmo Action 4などの既存モデルとペアリング可能。Pocket3とAction5 Proなら、送信機二台とのペアリングも可能。Mic2との混在接続も可能。

・内部記録は不可。

・400mの伝送が可能。

・送信機単体なら、なんと7000円台で買える

との事。さてこの商品、性能はいかがでしょうか。


400m伝送に関して、過度な期待は禁物

最初にお伝えしておきたいのがこの一点ですね。
「400mの伝送ができるのであれば、モトブロガー界隈等で革命が起きるかも」と思い早速調査しました。
少し前にDJI SDR Transmissionのインカムモードを試した際、思っていた以上に高い性能だったため、「同じような技術を使っているのであれば可能かもしれない」との考えもありました。




ということで検証。
体にDJI Mic2とMic miniの両方を装着し、Action5 Proに装着。
歩いて少しづつ離れていき、Mic2との接続比較をしてみます。




DJI Action5 Proの画面上には、このように製品名やバッテリー残量が表示されるので、非常に好印象。

しかし130m地点でMic Miniが応答不能に。
しばらくして、Mic2のほうも応答不能になりました。
んん?Mic2のほうが安定している・・・?




この後、条件を変えて
・Action 5 Proと、DJI Mic Mini送信機×2で接続する
・DJI Mic Mini受信機と、Mic Mini送信機×2で接続する
などのパターンでも試しましたが、接続が途切れるのは大体いつも同じ場所でしたので、なんらかの地形的要因があるのかなと思いました。
実際のところ、見通しの良い海上などで400m離れたところからつながった等の情報を得ておりますので、条件がそろえば出来なくはないのでしょうが…過度な期待は禁物、といったところでしょう。


ワイヤレスマイクとしての割り切り

お次は送信機を見ていきましょう。
正直なところこのワイヤレスマイク、めちゃくちゃ良く出来ています。
まず見て頂きたいのがこのサイズ。DJI Mic2と比べても、ここまで差があります。


なぜここまで差があるかと言いますと、内蔵ストレージの有無ですね。
バックアップとして使用できる内蔵ストレージも非常に便利ではございますが、
装着感を感じない程に軽いのは、かなりの強みです。
(余談ですが、このMic miniを着けて検証していた日、筆者は外すのを忘れて家に帰ってしまっておりました。それくらい装着感を感じません)

小さくなったからと言って中身が凝縮されて重くなったといったこともなく、軽いです。なんと僅か10g。


ケースのほうも良く出来ています。ウィンドジャマーを装着したまま収納可能、という点にも驚きですが、なにより「クリップ部分にマグネットを着けたまま収納できる」というユーザーフレンドリー具合に感動しました。

五分の充電で一時間使用可能等の基本性能の良さも特筆すべき点ですね。


DJI Mic 2との混在接続が可能

先ほどの検証時でも少し触れましたが、DJI Mic2との混在でも接続が可能。
例えば今まででもPocket 3 クリエイターコンボ(DJI Mic2が一台付属)をお持ちのお客様が、ご友人の音声も一緒に録りたい、となった場合には送信機を一台追加するだけで大丈夫です。

Mic MiniはDJI Mic2との混在接続が可能です。
混在だからと言って、ペアリング時に余計な手順を踏む必要はございません。
加えて、DJI Mic2の送信機は一台で16060円、Mic Miniの送信機は7700円。
この差は大きいですね。


二段階から選べるノイズキャンセリングの効き具合

DJI Mic Miniでは、ノイキャンを二段階の強さから選択可能です。
効き具合を確かめるために、比較動画も作ってみました。



この動画の環境であればベーシックが一番しっくりくる具合でしたが、例えば工事の音が響き渡る場所での撮影などでは評価がずいぶん覆りそうなほど、「強」の効き具合は強いですね。


ノイズキャンセリングのご注意点

接続や使用に関して、実際に試してみたところ注意点がございましたのでここでご説明。
まず、送信機本体の「電源ボタンをポン押し」で、ノイキャンのオンオフを変更可能。
ノイキャンが効いている時は黄色いランプが点灯しています。



この状態が「ノイキャンが効いている状態」なので、この時の「効き度合い」を二段階で変更する為には、受信機とMimoを接続する必要があります。(Action5やPocket3の場合は、本体で変更可能)

ここで混乱しがちなのが、送信機側だと「ペアリングボタン→スマホの設定から接続→Mimo開く」という流れだったのに対し、受信機だと「電源ボタン六秒長押し→Mimoで接続」という流れになる事。
(筆者は「受信機がスマホと繋げない!」と、少しだけ悩みました。)

こういった設定が少々回りくどくなる面などは、やはり受信機の簡略化によるものも大きいですね。そう思うと受信機のディスプレイで設定を見通せるDJI Mic2の使い勝手の良さを再認識しました。


DJI Mic 2の受信機はタッチディスプレイになっている



Mimoに受信機をつなぐと、下記のような画面を開くことが出来ますので
ここでノイキャンの強さを変更可能です。



つまり…
送信機単体では、ノイキャンのオンオフは出来ても強さを変えることが出来ず、受信機を介した場合であればこの二段階切り替え機能を使用可能という事ですね。
ちなみにAction5やPocket3ですと、ノイキャンの強さはカメラ本体で変更可能との事。


どんなお客様におすすめ?

Mic Miniの総評としまして、
・伝送距離400mというスペックに過度な期待は禁物。もちろん、近接距離であれば全く問題ない。
・圧倒的コスパ。必要最低限の機能で、お手軽に音声録音したいお客様向け。

といった感想です。

音質に関しましても良好でした。今後もし皆様のご希望があれば、各社ワイヤレスマイクの音質比較を行ってみても面白そうですね。

ではでは、機材屋でした。