>>機材屋.jpへ
編集

Roland VR-120HDとV-160HD、どっちを選ぶ!?比較・解説いたします【フラッグシップ対決】

2023/08/07

お知らせ)V-160HDが2月14日にVer.2.00となり、さらに使い勝手が向上しました。無償ダウンロードですのでご自身でアップデート可能です。(※下部にアップデート内容を記載しております。)




いつもありがとうございます。株式会社 機材屋です。

2月24日(金)よりローランド話題の新製品、VR-120HDが発売です。


映像スイッチャー、音声ミキサー、配信エンコーダー、WEB会議ソフトに便利なUVC/UAC、録画と再生、オーディオ・プレーヤーなど、まさに映像・音響の現場に欲しい機能が全部入り。

これ1台で様々な業務がこなせる、頼れる1台となっています。

発売以後から長らく品切れとなっていたV-160HDに肉薄する映像性能や、昨年夏に発売されたライブ配信エンコーダーSR-20HDの技術、同社サンプラーを踏襲するかのようなオーディオ・プレイヤー機能など、期待せずにはいられません。


VR-120HDとV-160HD、どちらを選ぶ?

左:VR-120HD 右:V-160HD

一方、これからスイッチャーの導入を検討されている方は、価格的にも近いV-160HDとどちらを選ぶべきなのか、悩ましい選択肢になるかと思われます。

まず大前提として、この2機種をライブ配信の為の機材と考えた場合、
VR-120HDは、本体にエンコーダーを搭載しPCレスで配信可能、
V-160HDは映像を送出した先での配信を行う機器
という点が違います。

VR-120HDはどちらかというと以前動画でご説明したSR-20HD寄りとお考え頂くと分かりやすいかもしれません。

参考)【オールインワンミキサー】Roland SR-20HD。PC不要の配信機材をRoland営業さんと対談解説!VR-120HDの各機能の予習にもお使いください


動画内ではセーフティディレイのご説明などもございますが、VR-120HDにも搭載されております。

昨今ではリアル会場のイベントと同時にライブ配信も行う、ハイブリッドイベントも一般的になりましたが、両機種ともそのような運用にも十分対応できる、充実したスペックに仕上がっています。

そこで、本記事では新製品のVR-120HDの内容に注目しつつ、V-160HDと比べてどのように違うか、お客様の目線でオススメ用途をお伝えしようと思います!


まずはざっくり・・・


■ズバリ、こんな場合はVR-120HDがオススメ!

・ライブ配信や動画収録するためのコンパクトなスタジオをつくりたい

・ウェビナー、WEB会議にも対応する会議室をつくりたい

・少ないオペレーター数でも、こだわりのライブ配信を行いたい


■ズバリ、こんな場合はV-160HDがオススメ!

・映像や音声などチームが分かれている制作現場で、ライブスイッチングを担う

・音楽番組や舞台映像など、シビアなスイッチングによる映像表現が求められる現場で利用

・とにかく沢山の映像入力端子が必要な現場で利用したい

といった違いが出てきます。


もっとはっきり言ってしまいますと、

V-160HDは入力系統が合計16個、コンパクトで使いやすい。映像ガチ勢向け。

VR-120HDは入力系統が合計12個で一回り大きいが、オーディオ関係が充実。オールインワン勢向け。

といった内容です。


さてもう少し掘り下げてみましょう。


■VR-120HD オススメの理由




ライブ配信や動画収録するためのコンパクトなスタジオをつくりたい

昨今ではYouTubeなどを情報発信の場として活用することも一般的になり、企業や学校でも、独自で収録スタジオを設けたい等のご要望を頂く事が多くなりました。

VR-120HDでは映像、音声、ライブ配信など各種操作が1台で完了するため、たくさんの機器操作を覚える必要がございません。

例えば映像操作はボタンやタッチパネルで即選択でき、音声もフェーダーで直感的に操作できます。

また、YouTubeやFacebook、Twitchへのライブ配信は、チャンネルの設定が済んでいればボタン数回の操作で即座に開始可能です。

本機ではSDカードへMP4形式で録画が可能で、収録スタジオ中心として存分に活用できそうです。


WEB会議に対応する講義室、会議室や役員室をつくりたい

ZoomやTEAMSなどのWEB会議ソフトを利用した、双方向で映像や音声をやりとりする講義室や会議室を構築する場合、一般的なAV設備と異なるセッティングをもとめられます。

特に音声ついて、相手先拠点の音声をふたたび送り返さないようにするなど、注意しなければいけません。

また相手に配信したい映像と、自拠点内でプロジェクターに投影したい映像が異なるケースもあります。

VR-120HD、V-160HDはともにそのような状況に対応できる、他のスイッチャーにはなかなかない柔軟な仕様なのですが、さらにVR-120HDは特に音声ミキサーの操作が直感的で便利です。

音量ボリュームをフェーダーで操作できるため、話者が交代した場合のとっさの調整なども容易です。ミュートボタンや検聴のためのソロボタンも専用で備え、音声トラブルにも即対応しやすいです。

フェーダーはマイク以外にHDMIやSDIの音声もふくめて自由にアサインできるので、会場に必要な音声操作がとてもシンプルに行えます。


少ないオペレーター数でも、こだわりのライブ配信を行いたい

昨今のライブ配信プログラムは、テレビ番組の中継のようにリッチな映像合成を用いた演出が増えています。

そのような映像構成を考えると機器も増加して、オペレーターも多数必要となり、場所も必要になってきます。

本機はスイッチャー、音響ミキサー、配信・録画機能が1台にまとまりながら、豊富な映像合成機能も魅力です。

さらに省力化するために、シーン・メモリーやマクロ機能などを活用すれば、複数の操作を指一本で行えるような利便性も備えております。例えば子画面とテロップを同時に出して、子画面内の話者の音量を上げる、というような操作もワンボタンで実行できるのです。

また、PTZカメラの操作も本機から行えるため、省力化やコンパクト化が求められる現場に必携の機材となります。



■V-160HD おすすめの理由



音楽プログラムや舞台映像など、スイッチング時にシビアな映像表現が求められる現場で利用したい

V-160HDのパネルは、本番中に間違いなく操作できるようボタン配置に余裕をもち、子画面操作用に専用ツマミなども備え、素早い操作を可能にするレイアウトになっています。

VR-120HDと異なり、切り替え操作用にTバーを備え、例えば音楽のテンポに合わせてディゾルブやA/Bミックスをタイミングよく行うなど、その場その場で求められる演出に対応いたします。

映像操作に集中する現場では、ライブ・スイッチャーとしてデザインされたV-160HDがおすすめです。


とにかく沢山の映像ソースをスイッチングする、eスポーツの映像演出や学会の現場で利用したい

2023年2月に、V-160HDはVer.2.00へと進化しました。

多数機能向上がございますが、特に注目したいのが、新たなスイッチングモードが備わったことと、マルチビューの進化です。

V-160HDはSDI x8、HDMI x8と合計16ものベースバンドの映像を入力でき、さらに静止画も16枚スタンバイします。以前はこのうち10を割り当ててスイッチングしていました。

Ver2ではパネル・オペレーションに「DISSOLVEモード」「PGM/PST(20)」モードが追加されました。20個あるクロスポイントボタンにそれぞれ映像をアサインして、ボタンを押して映像を即座に切り替えたり、一度ボタンを選択してCUT TAKE/AUTO TAKEで映像を切り替えるなど、20の映像ソースを素早く操作することが可能になりました。

またこの操作時に便利なのがマルチビューの進化です。16 INPUT-VIEWのソースが自由にレイアウト可能となり、欲しい映像を一度にモニターできるようになりました。

これらを活用すれば、例えば学会の発表で多数準備されるスライド用のPCを間違えなくスタンバイ、切り替えしたり、eスポーツで多数のゲーム映像をダイレクトに切り替えることが容易になりました。



■まとめ

・初心者~プロまで幅広い方が操作する機会がある。コンパクトかつハイクオリティにAV設備や配信・収録設備を構築したい。ならVR-120HD!

・配信、収録、イベント映像送出など問わず、映像に特化したチームでスイッチングを担う。多数の映像ソースを扱う現場で利用したい。ならV-160HD!



少しでも皆様の機材選びのご参考になれば幸いです。ご不明な点やご相談はお気軽に機材屋までお問い合わせください。