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【商品解説&レビュー】Cerevo FlexTally Pro 新発売!前モデルとは色々違う模様。

2025/02/12

いつもありがとうございます。株式会社 機材屋です。

昨年末に発売となったCerevo FlexTally Pro(フレックスタリープロ)。
調査していると、前モデルのFlextallyに比べてずいぶんと変更点がある模様ですので解説いたします。

>>この製品のYoutube動画はこちら


ランプの小型化&高性能化

※従来のFlex Tallyは今後も併売との事で、「前モデル」と言いますと少々誤解を生むかもしれませんが、Pro有り、Pro無しと呼称するのも分かりづらいため、「前モデル」という名称に統一いたします。

前モデルに比べて、タリーランプの仕様が大幅に変更となり

新型は小型化に加えて、LP-E6互換バッテリー、USB-C&PoEに対応しました。

内蔵LEDの数も異なり、実際に写真で撮ってみると一目瞭然。

▼前モデル


▼新モデル

このように、一面にLEDが敷き詰められており光のムラが減ったため、光量及び視認性がアップしました。

従来のFlextallyとは、無線の伝送方法が違う


Cerevoさんからデモ機が届いたので調査開始。
そうすると最も大きな変更点が判明しました。前モデルから接続方式が変わっています。




前モデルではタリーコントローラーから電波が飛び、タリーランプがキャッチといった方法でした。届く距離としましては、「遮蔽物が無ければ約100m」くらい。




さて、新型のほうはといいますと、
同一IPアドレス内で有線接続したタリーランプから電波を飛ばします。
届く距離としましては、約50mくらい。
これ、「ちょっと不便になってるし、距離も減ってない?」と思う点もあるかもしれませんが、
実はこれ、ちょっと面白い仕組みがございまして、



このようにしてタリーランプを親機として複数設定してやれば、伝送距離を延長することも可能になります。
また、タリーコントローラーは手元にないといけないけれど、伝送距離を延ばすためには高い位置に置かなければいけないといった状況もあるかと思います。
その際にもランプを光らない設定にしておき高い位置に設置するなどで、アンテナのような役割を果たすことが出来ますね。
加えて、ランプはLAN端子が搭載されている為、すべて有線接続でもOK。
そのようなフレキシブルな運用が可能なのが、FlextallyProの特徴であると言えます。

また前モデル同様、周波数は315MHzといった事もあり、混線しづらい帯域なのが嬉しい所。


タリーランプ、最大128台接続可能。プレビュー周りも良改変

LAN接続時であれば、タリーランプ最大128台接続が可能です。
加えて、プレビューランプの仕様がアップデート。
ちょっと分かりづらいので以前弊社の記事でもご紹介したこともあったのですが、前モデルはプレビューランプ使用時は最大接続数が半分になるという仕様でした。
(親機を追加する事で対処は可能ではありましたが)今回のモデルではそういった制約が無くなりました。

ランプの表示をカスタム可能

今回のFlexTally Proには、Cerevoさんらしい遊び心が追加されました。
それがランプのカスタム機能です。



ドットを打ち込むようにして、ランプの表示をクリエイトできます。



例えばこのように「1」という数字を作ってみると・・・



このように「1」と表示が可能です。

▼こんな感じで沢山色を使うことも可能。



こんな感じになります。



ちなみにこのエディター、やたら出来が良いですね。
▼UIもかなり分かりやすいです。


なお、無線接続時はテンプレートパターンのみ使用でき、マトリクスパターンを使用する事が出来るのは有線接続時のみですのでご注意を。
そこで気になるのが、下記ですね。

テンプレートパターンとマトリクスパターンの違い

ではテンプレートパターンとマトリクスパターンはどう違うのか?という点ですが
テンプレートパターンは図形や数字を選択し作成可能なパターン、
マトリクスパターンは完全に自由な形で作成可能なパターンとお考え下さい。

▼テンプレートパターンでは下記のように、図形や数字、色を選択します。



▼マトリクスパターンでは自由にお絵かきできるようなイメージ。
テンプレートパターンのように図形や数字を選択し配置することもできます。




HOLLYLAND製タリーと比べると、どうなの?
本モデルをご検討のお客様は、おそらくHOLLYLAND製のタリーも視野に入れられているかと思います。


小さなランプで取り付け容易、伝送距離が多い、長時間持つ小型のバッテリーが付属、GPIOケーブルが安い、などなど…使い勝手の良さに定評のあるモデルですが、いくつか難点もあり、そこが機材選びのポイントです。

・ホッピング機能搭載とはいえ、周波数が色んな機器で使用されている2.4Ghzであるため やや心配な面も。
・ランプの光が弱い。また三面の発光であるため、それを好まないお客様も。
・クリップの使い勝手が悪い(そのため弊社ではシューアダプターをお付けして販売)
など。

今回のFlexTally Proは先にお伝えしました通り、
・315MHzという混線しづらい帯域であること
・ランプの光が強く、面積が広い一面の発光であること などが利点と捉えられます。

そしてお客様の環境次第という点での違いが、先に挙げた無線の伝送方法の違い(ランプが親機になる)という部分。

ここから導き出すことのできる両者のアプローチが、
・HOLLYLAND Wireless Tallyは、少数の映像制作現場といった側面
・Cerevo FlexTally Proは規模大きめ、設備的な側面
であると感じられました。

それぞれの利点を考慮し、環境に合わせた機材をお買い求めください。

総評

日本国内では、タリーを採用している現場が多いわけではありません。
且つ各メーカーの価格もピンキリですので、お客様にとってもどれを買えばいいか悩ましいところかと思います。
その為、本記事がご参考になりますと幸いです。
それでは、機材屋でした。